老麺とは

中国に古くから伝わる自家製天然酵母を使った生地。
材料は水と小麦粉だけ。添加物は一切使わずに自然発酵させて作った発酵種を職人の技術により維持し続ける。

かつて日本を代表する超大型高級中華店で、中国から渡ってきた秘伝の老麺種が、ひとりの職人の技術により受け継がれ、肉まん作りに使われていました。老麺を使った肉まんは独特の風味と食感が特徴的で、老麺生地と中の餡とのハーモニーが絶賛され、極上の肉まんとして多くの人たちから愛されていました。

しかし、その職人が去った後、同じ老麺種を伝承することは誰にも出来ず、永年受け継がれてきた老麺の伝統は途絶えてしまいました。日本を代表するような中華の職人でも、その伝説の老麺を作り、維持し続けることは誰にもできませんでした。老麺とは、それほど伝承することが難しいものでありました。

そして老麺復活へ

途絶えてしまった伝説の老麺の復活を望む声は多方面から寄せられていました。当時の味を知る食通の人はもちろん、中国料理界を代表する料理人からも老麺の復活を切望されていました。
そしてその熱い要望に応えるべく、伝説の老麺を甦らせるためにひとりの職人が立ち上がりました。その職人こそが、かつて唯一老麺を伝承する技術を持っていた老麺師、当店の料理長である髙野文雄なのです。

料理長髙野文雄の永年の試行錯誤の結果、水と小麦粉だけで作った発酵種から、当時とほぼ同じ老麺を再現することに成功しました。これにより、老麺を使った伝説の肉まんを再び世に出すことができるようになり、板橋区大山の地で肉まん専門店「髙野」を開くことになりました。この店の開店は、老麺復活という意義深い取組みの一環でもあります。

生きている老麺の香り、色、感触、等、状態を常に五感で確かめ、菌との対話を通じて発酵の状態を見極めます。イーストを使わずに自家製天然酵母老麺だけを使うため、発酵には時間がかかりますが、じっくりと発酵させる老麺生地は弾力があります。全て職人による手づくりで店内でひとつひとつ丁寧に仕上げていきます。