五感で創る:ふれる(触覚)

老麺創りにおける職人の技術を紹介します。2回目は触覚について。

ふれる(触覚)

老麺生地を大きな塊の状態から一個の分量に手で千切る工程があります。この時に一発でほぼ同じ分量に切り分けることは当然ですが、同時に老麺生地の発酵具合を手触りで瞬時に確認しています。

作業をよく観ていると、全て同じように生地を扱っているのではないことに気づきます。切り分けた生地を、順番に麺台の上に並べていくのですが、その時にほんの一瞬の手触りで発酵具合を見極めているのです。ある部分は少し揉むような手さばきで刺激を与え、ある部分は麺台に置く時に裏返しにして、ある部分は生地をほんの少し継ぎ足して、、、というように千切った部位によって微妙に異なる作業をしながら並べていきます。

生地に触れているのはほんの僅かな間。時間にして1秒にも満たない程度です。しかも手と生地が直接触れる接地面積もほんの僅か。瞬時にして切り分ける作業と生地の発酵具合を見極める作業を同時に行っています。ロボットや機械では到底真似のできない職人の感覚による神業です。

手づくり。

料理長は手の感触、触れたときの感性を大切にして、老麺という生き物と対峙しています。

 

我々の老麺プロジェクトでは、こうした職人の手仕事にこだわり、技術を伝承することが重要なテーマです。

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